広東省のGDP、サウジを抜いた…省域経済総合競争力リポート
中国の国営シンクタンク、中国社会科学院は2月28日、各省(民族自治区・中央直轄市)の経済力を比較したリポート「中国省域経済総合競争力発展報告」を発表した。G20構成国の比較では、広東省のGDPがサウジアラビアを超すなど、省別でも主要国に匹敵する経済力を備える例が増えているという。チャイナ・ネットが報じた。
G20の構成国は、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、トルコ、イギリス、米国、欧州連合(EU)で、国内総生産(GDP)の合計は全世界の約9割、貿易総額は約8割、総人口は全世界の約3分の2だ。
広東省のGDPは2008年時点でサウジアラビアとアルゼンチン、南アフリカを抜き、仮に独立国としてG20に加入すれば、第16位になるという。江蘇省、山東省、浙江省もGDPで「G20入り」の水準になった。
1人当たりのGDPでも、上海市が「G20中、第12位」の数値を示した。北京市と天津市も「G20入り」の水準だ。
中国社会科学院科研局の黄群慧副局長によると、工業化の段階を初期、中期、後期に分類し、さらにそれぞれを前半段階、後半段階に分けるとすれば、北京と上海は工業化がすでに終了した段階。天津と広東は後期後半段階、浙江・江蘇・山東は後期前半、遼寧・福建は中期後半、山西・内モンゴルは中期前半、河南・湖南など10省(自治区・市)は初期後半、貴州は初期前半。チベット自治区は工業化以前の段階という。
中国全国としては、中期後半段階。次の課題は規模の大きさが特徴である「工業大国」から、質をともなう「工業強国」への変貌という。